4Bot

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「できたー!!」  真直は問題用紙から体を上げて、精一杯伸びをする。  地央はベッドに寝転がったまま、手にした英文法のテキストを胸の上に置き、目だけで真直を見上げた。 「解答まで?」 「解答まで」  真直は大きく頷くと、プリントを目の位置まで差し上げた。  まるで飼い主の投げたボールを取ってきた忠犬のようで、地央はつい笑ってしまう。  真尾にフサフサの毛がついていたなら、間違いなくそのあたりの床は綺麗になっていただろう。同級生がこの姿を見たら、真直への印象は180度級に変わるはずだ。 「じゃあ、まあ……」  真直は頬をポリポリとかきながら、地央の横に腰をおろす。  蹴られはしないかと少々怯えながら地央のメガネを外すと、地央の頬に手を添え、口角のギリギリの位置に唇を落とした。  唇を乗せた後で、上唇を触れさせたまま、頬を食むようなキスを何度も繰り返す真直。 「一回って言ってなかったか?」  地央の頭を腕で固定して一向に唇を放す気配のない真直に、地央が苦笑混じりの声で問う。  それでも真直は地央の唇を解放することなく触れさせたまま笑みを浮かべて囁いた。 「唇離すまでが一回」 「……凄え屁理屈」    こじつけのキスにも総じて地央はそんな態度だし、そもそも真直の地央への感情を知って側に居てくれるのだから、それなりに報いてくれるつもりはあるのだろう。  とはいえ今の関係にシロクロをつけてほしいなどと強く言い寄ってそっぽを向かれては藪蛇だと、藪を眺めるような日々を過ごす真直だった。
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