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 結局ララに一発も入れる事が出来ずに時間切れとなった。  顔に痣を作り鼻血も拭うこともなく地面に倒れている白雪にララが助言する。 「お前の悪い所は技とスピードに頼りすぎて力が弱ぇとこだな。」 「・・・ララの悪い所は顔面に蹴りを入れてくるところ。」  言い返せば「肉弾戦も一つの技だろ。」と笑われた。 「飯は少しぐれぇ食え。力つかねぇぞ。」 「・・・・・・。」  ララに右腕を引っ張られながら逆再生で身体を修復させてもらう。時の神力は使い方次第でこんな事も出来るのかと焔達は感心する。 「このくらい自分で治癒できる。」  水の神力を持っているのだからと白雪は言うが 「良いじゃねぇか。ご厚意に甘えとけ。」  と、さらりと言う。  手合わせ中でも白雪が攻撃を喰らい大きな怪我になる度に相手をしながらもララが逆再生で身体を元に戻してくれていた。  で、なければ全身打撲、肋骨骨折、左腕骨折、内臓破裂をして手合わせは直ぐに終わっていただろう。 「戦闘中に回復出来るようになればいいんだけどな。」 「そんな器用な事はまだ無理。」  大切な神力だからこそ早く使いこなせる様になりたいと小さく呟く。そんな白雪にララは彼女の頭を軽く撫でる。  はたかれた。 「さて、じゃあ次は風美。」 「・・・はぃ?」  風美の目が点になる。
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