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水神は自らの神力を讓渡した。
「讓渡?」
「えぇ。」
一般的に神力を人に分け与えると言う事は出来ない。しかし、水神は己の神力を・・・命を誰かに託してから泡になった。
どの様にして神力を人に讓渡したのかは分からない。ただ、己の知らない父の話をここでも聞かされた。
「では、講義はここまでにして実際に神力を集める練習をしてみましょう。」
己の神力を身体の中を循環している血液の様に頭の上に集める様に想像しろと指示を出される。
目を瞑り神力を頭の中で具現化し頭の上に水が上がっていくのを想像する。
思い描くなら南に来る時に通った空間移動の泉。集中すれば集中するだけ全身の血液なのか神力なのかが冷たく感じ、上に流れて行っている感覚になってくる。
そんな時にパァンと手を叩く音が耳元で響いた。
「・・・ハッ・・ハァハァ・・・。」
「息が止まってましたよ。」
手を叩かれるまで気が付かなかった。
息苦しさが一気に襲いかかり新鮮な空気を吸いつつも呼吸を乱した。
「翠様は集中すると周りが見えなくなりやすい様なのでこの練習をする時は誰かと一緒にお願いします。」
ひとまず休憩と千波は翠に飲み物が入った瓢箪を渡す。千波が翠の為に作った特性の飲み物だと言うので瓢箪の蓋を開け有難く口に流し込んだ。
「・・・・・・ブフォッ!!!」
味わった事の無い強烈な味が口の中に広がり勢い良く口から吹き出した。
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