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「・・・さすが下界一臭ぇ食い物。」 「味は酒のつまみとしては中々の美味なのですがね。」  そう言いながら皿に盛った具を美味しそうに食べる千波。食べるなら自室で食べてくれと風美が鼻をつまみながら苦情を出した。  匂いもそうだが、翠が飲まされた瓢箪の中が気になり中身を出して確認した魄が嘔吐して倒れた。 「良い飲み物のはずなんですけどね。」  神力を向上する飲み物だと巷では有名らしい。  一体何処からのクソ情報だと聞けば悪質な番記者が広めた嘘情報だった。  しかもその嘘情報だが、二十年前のものらしい。 「これだから健康馬鹿は・・・。」  これを健康馬鹿で片付けるのも世の末である。  後で凱楽が仕事をサボるララを連れ戻す為にやって来たのだが 「換気くらいしろぉぉお!!」と叫びながら窓を全開にした後、道場に奇食を持ち込むなと説教の時間が始まった。 「奇食以外ならいいって事ですか?」 「食い物持ってくるな!!」 「何で俺まで正座させられてんの?」 「あんたは帰ってきてもすぐ仕事サボるからでしょうが!!」  大臣達が政について問題が山ほどあるとララに用があると言うのに「俺がいない間は凱楽に任せてるから。」と、言い今までララの仕事を凱楽がこなしていた。  外からやっと帰ってきたと言うのに朝から何処にも居らず散々探しても見つからないララの代わりを結局凱楽が受ける事となった。  それでも情報だけはしっかり知っておきたいララは凱楽を宥めながらシレッと頭に手を置いて記憶を読み取り状況を把握している。 「・・・お暇頂戴させて頂きとうございます。」  凱楽がキレるのも致し方ない。
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