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壱
案の定と言うべきだろうか、白雪に焔が言った罵詈雑言を聞いていた者達は白雪が焔達を助けに行くことに大反対だった。
「白雪様がそこまでする必要はないですよ。」
「あんな酷い事言われたんですよ?!」
けれど、西の火ノ神家臣達を見捨てることは出来ない。この中にだって元は関わりを持っていた者達だっている。
どんな酷い言葉を吐かれたからと言って私情で見捨てたくない。それにだ・・・。
「焔達が言った言葉は間違ってないと思う。」
「・・・お前なぁ〜・・・。」
自分が北の宮から出なければ、水神と出会わければ彼はまだ長生きができたであろう。
「私に全ての神力をくれたから。」
白雪に残り少ない神力を渡した事で彼は泡となり消滅した。
今もあの時の事が目に焼き付いて離れない。
瞳が溶けてしまうのではないかと思う程、涙を流した。
喉が潰れる程、泣き叫んだ。
置いていかないでと社の中、消える彼に必死に手を伸ばした。
何故あの時一緒に居させてくれなかったのか、共に逝かせてくれなかったのかと己を連れていった火ノ神に怒りをぶつけた。
「テメェの身体がテメェ一人のもんだと思うな!!」
火ノ神に言われた言葉でもう一つの命を護ろうと思った。
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