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己を連れて行った事により西の火ノ神が北の愛姫を誘拐したと言う汚名を着せられてしまった。  その罪による刑罰が餓鬼の刑だった。    火ノ神が北の国宝である愛姫を誘拐したと言う言は国同士の大問題であり戦の理由としては申し分なかった。  傾国悪女とはよく言ったものだ。  だから焔の言い分は間違ってないと彼女は焔の言葉を受け止めた。しかし、それは違うとララは否定する。 「んなもんただの口実だって前言ったじゃねぇか。」  元々、闇神は西を攻め落とすつもりだった。  東を手に入れたことで西の防衛が緩くなり西を攻めやすくなった。   「少しの間だけでいい。手を貸してくれ。」  西の防衛が自分達で強化出来るまで。と、ララに頭を下げてきたのは火ノ神本人。  南が当分の間、結界の範囲を広め、北からの侵略を止めていた。西は火ノ神の言った通り、神人だけの力だけでなく妖達の力を最大限活かし、工夫を重ね、防衛の強化に努めていった。  その頃には火ノ神も本気になり自分の国の政の仕事を熟す様になり、花町で遊ぶ事も控えていたぐらいだ。  もう大丈夫だろうとお互いが確認し納得した後、結界を解き神人の少ない西でも自分達で防衛出来るようになっていた。  はずだった。  情報を漏洩され西の結界師達を内側から暗殺され、裏切り者を出した。あまつさえ水神と白雪の居場所を知られた事により一気に北が攻め込んで来た。  そこから西と北の戦が始まった。
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