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 潜水船内でギャイギャイ騒いでいるが、結局のところ翠の一押しで皆が焔を殴ると言う名目で西の家臣の応援救出に向かうと言う事になった。  助けても焔は死ぬのではないだろうか。  撲殺と言う死因で。 「一人の犠牲に大勢が助かるなら焔も本望だよ。」  翠も逞しくなったなと思う。  良い事を言っている様に聞こえるが、その犠牲は必要なものでは無い。  ウェデリアとは別に来たもう一つの潜水船の石蕗に翠達は乗り換え、西の民達を乗せたウェデリアを南に帰還させる。    花火の記憶から焔達の本拠地は分かっている。ここから約三十九里(約151km)先の天狗山。  そこまで行くには船から降りた後、歩いて目的地まで行かなければならない。その為には休める場所、腹ごしらえも必要。  だが、戦後の西の中央部は町も何もかもが潰れ荒地のままである。 「食糧なら問題ないわよ。」  風美が植物を召喚し果実を実らせた。 「おぉ〜。」と、誰もが驚きの声を上げる。  そう言えばと、花神は豊作の女神である事を思い出した。 「戦えて飯作って一通りの侍女の仕事も出来る上に床上手とかスペック高くね?」 「・・・今までアンタ、私の事何だと思ってたのよ?」  色町のストリッパー候補者。  風美は思った。  早く選挙制度導入してこのアホ落選すればいいのにと・・・。  しかし、南ではララの支持者は意外と多い。それを聞いて信じられないと言う顔をする。  南の住民は癖が強い。 「何で風美が床上手なのララが知ってるの?」 「あぁ、それはだな。こいつの記憶を読み取った時の感想。」  本当にこのアホどうにかして。興味津々の顔をしたララの部下達が風美をチラ見している。
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