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私、犬道小夜子は、ちょっと前に村人が続けて死んだ時、ある説を唱えた。 どうやらこれは、村や村人に対する悪霊の怨みが原因ではないか…と まだその当時は私と話をしてくれた知り合いの人々や、友達だと思っていた人たちにいつもそういう話をしていた。 私には妙な確信があったからそう話しただけなのだが、最初の頃はそんな話を興味深そうに聞いてくれていた知り合いや友人たちも、ある時を境に、突然私を訝しい目で見つめるようになり、次第に私の話を聞くことを拒否し、会話することも拒否し始めた。 明らかに、この人たちに対して、どこかから大きな力が作用している事は自明だった。 それから私は村人全員から無視されるようになった。 それまでの知り合いや友達も同じく私のことを無視し始めた。 それだけならまだしも、あらゆる店は軒並み出入り禁止になり、私の住む古い家屋には誹謗中傷の貼り紙が毎日張られるようになった。 その文言には全て「嘘つき女」という同じワードが統一的に入っているところからして、どこかの一つの大きな力が、この私を無視させたりバッシングさせたりすることの大元になっている事は明らかだった。 ある日、私は村の寄合いがあることを聞きつけて、その寄合いが行われる公民館に、開催時間に合わせて出向き、"私は嘘などついていない"という釈明をしたが、誰も私の話など聞こうともせず、そのうち、呼び出されたらしい交番の駐在が私を公民館からつまみ出した。 私は外から「誰が私を無視したりバッシングしたりするように指示しているのか教えてください!」と寄合いのメンバーに叫んだが、すると寄合いの議長を務める年配の男性が、窓を開けてから私の方を見て、 「そのような命令などどこにもありません。ただあなたの言ってる事は全て勝手な妄想だ。村のためにならないんだよ」 とピシャリと言い放って窓を閉めてしまった。 私は反論の余地もなく駐在に交番に連れて行かれ、ほとんど形ばかりの調書をとられて家に返された。
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