ホワイトデーにはとびきりの花束を《リョウタside》

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実は・・・香菜さんと花屋に戻って花束を受け取ってから、指輪を買いに行くつもりだった。 花束と指輪を用意したら、2人のお気に入りのイタリアンのお店で事前の打ち合わせ。貸し切ったレストランでは、ナオと食事をして、そこでプロポーズするつもりだった。 でも慌てて病院に駆けつけたから花束も取りに行けてないし、指輪も買いに行けていない。お店の店長とも打ち合わせできてないし、 そもそもナオが怪我をしてるから、後で店長には電話して事情を説明してキャンセルしようと思っていた。 「急にキャンセルしたら申し訳ないしさ、お腹空いたから行きたい」 ナオがそう言うからタクシーでお店に行った ◇ 「美味し〜、やっぱここのパスタ最高」 数時間前の出来事が嘘のように呑気にはしゃぐナオを見ながら 静かに今回のプロポーズは仕切り直そうと思った時だった 「あれ、リョウタくん、電話鳴ってるよ?」 「あ、香菜さんだ、ちょっと電話してくる」 「あ、香菜さんどうしました?」 「あ、すみませんお食事中に!さっきメールでナオさんとお食事に来てると伺ったので・・・花束は明日取りに行くとさっき言っていたけど、もしかしたら今日お店でプロポーズすると言っていたので、お店で渡したいかと思って持ってきました。お店の前にいるのですが・・・・」 「えっ!あっ、ありがとうございます!」 香菜さんがバラの花束を抱えてお店の前まで持ってきてくれた。 「香菜さんなんだって?・・・・?!リョウタくん、どしたの?!その薔薇の花束・・・」 当初の予定だと、ナオが店に来る前に店の店長に花束を隠してもらって、最後に店の裏から花束を抱えてプロポーズする予定だったんだけど、店に入った途端にデカい花束抱えてるから隠しようがなくて すくナオに見つかってしまった。
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