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そうは言っても俺は柊の誘いに直ぐにはのらなかった。
明らかに相手は俺に好意がある上に男は未経験。
そんな相手の初めての男になるのは、後腐れなく遊んでいた俺には危険だと感じていたから。
でも、その後も柊は俺に会いにナイトクラブに来ては踊る訳でもなく他の男と話したりもせず、ただ俺に会いにバーカウンターに座ってカクテルを飲みに来る。
明らかに慣れてない若い男なんて飢えてる男たちには格好の獲物だった。
その日の相手を探しに来た男たちに柊が誘われることはしょっちゅうで、その度に断ってもグイグイくる男たちにおされながら柊は困っていたけど、俺は見守りながらも間には入らなかった。
🎄.*
そんなある日クラブ常連の遊び慣れてる奴に強引に持ち帰りされそうになった柊を見て、つい言ってしまったんだ
「リョウタ、悪いな。こいつは俺のツレだから。」
俺が、そう言って助けた時の驚いて俺を見つめていた柊を、俺は純粋に可愛いと思ってしまった。
「助けるために言っただけだから変な期待はするなよ?俺は色んな男と楽しめればいいんだから。
お前が初めてを俺としたいなら、今晩抱いてやるよ。あくまで初めてを経験したいだけならしっかり教えてやるしうんと甘く抱いてやる。ただ、今夜限りでいいならな」
そう言うと柊は少し考えた後に俺の目を見てゆっくり頷いた。
柊にはバーテンの仕事が終わるまで待っててもらい、その後ラブホテルに行った。
緊張でガチガチになっていた柊を優しく抱きしめ身体中にキスをした。
息が上がって力が抜けた柊をお風呂に連れて行って、中を綺麗にする方法を教えながらしっかり準備をしてベッドに連れて行ってからはゆっくり時間をかけて解して、
始発の電車が動き始めたであろう時間にようやく俺と柊は繋がった。
「身体辛くないか?今日は大学休みなんだろ?帰ってゆっくり休めよ。・・・俺?俺は今夜も仕事だよ。・・・また来てもいいよ。話し相手にはなってやるよ。」
🎄.*
そうして、柊と一夜を共にした後も柊は
クラブに俺に逢いに来た。
それからもちろん柊を抱くことはなかったけれど
オーダーのカクテルを作りながら、合間で柊の話し相手になっていた。
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