柊side

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柊side

「今日はありがとうございました!素敵なお店に連れてきてくださってありがとうございました!美味しかったです!はい、今後ともよろしくお願いします! え?あっ?!そのジッポ僕のです!落ちてました?!すみません!あ、いえ、吸わないんですけど僕のお守りなんです。 ・・・・え?いつまでこちらにいるかですか? 今日はホテルに1泊して明日本社に戻ります。ですので明日戻り次第早速ミーティングして また決まり次第ご連絡致します。 はい、後藤課長にもよろしくお伝えください。はい、失礼致します。」 「オリバーホテルまでお願いします」 「はぁー・・・」 先方の担当者が呼んでくれたタクシーに乗り込み タクシーが動き出し、僕を見送る担当者が見えなくなったのを確認して、僕は背もたれにもたれかかり、少しネクタイを緩めて息を吐いた。 5年振りに来た、この街並みは 店は入れ替わっているけど賑わいは変わっていなくて 5年前の今日と変わらずイルミネーションでキラキラ輝いている。 もう少しで日付が変わり12月24日になり 僕は27歳になる。 5年前の今頃、僕はあの人と確かにこのキラキラした街を歩いていた。 「寛太さん、元気かな・・・・」 タクシーの窓からキラキラした街並みを眺めながら 胸ポケットに仕舞っていたジッポを取り出し両手で優しく包み込んだ
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