37人が本棚に入れています
本棚に追加
✩.*˚
一目惚れだった。
人目見て恋に落ちた。
DJをする寛太さんの周りにはDJミュージックに合わせて沢山の人が集まり盛り上がっていた。
気持ち良く踊りながら楽しそうにする人達の中心で片耳にヘッドホンをあててレコードを操る彼がこの盛り上がりの中心で、自由にキラキラしててカッコよかった。
寛太さんを初めて見た時周りが見えなくなって、周りの音も消えた。
この場に連れてきてくれた大学の友達のタケルに何度呼ばれても耳に入ってこないくらいに。
『あの人はな、寛太さんて言うんや。ここのクラブのメインDJで、ゲストDJがやってる時はここの酒も作っとる。ほら、あそこにバーカウンターがあるやろ?あそこで寛太さんがシェイカー振るんやって。めちゃカッコええで。でもな、柊。寛太さんはだめや。あの人は遊び人や。取っかえ引っ変え男と寝て、1度しか同じ男を抱かないんやって?俺らとは住む世界が違うねん。』
✩.*˚
タケルとは大学のゼミが一緒で、自然と仲良くなった。
タケルはいわゆるオープンゲイで、大学でも隠さず話していた。
僕は最近まで自分が男の人が好きなんだと自覚してなかった。
中学生の頃からクラスの男子を目で追ったりしてもただの憧れだと思っていたし、女の子を好きになったことはないけどそのうちみんなみたく好きになるんだと思っていた。
タケルと友達になって色んな話をしていくうちに気づいてしまったんだ・・・・僕は男の人が好きなんだって。
タケルの話を聞いてると共感出来るところが沢山あって、それをタケルに言うと
『柊、お前もゲイなんちゃう?』
そう言われた。
その時今までモヤモヤした霧のようなものが晴れて
パズルのピースがはまったときのようにスッキリしたんだ。
最初のコメントを投稿しよう!