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序、
人間が死んだらどうなるか。
いや、死んだことないから知らない。
そりゃそうだが。
人間は死なない。
尤も、生きていても死んだように思われている人間は山ほどいる。
あいつは無視しときゃいいから。
あんなバカいなきゃいいのに。
え? 知らない。もう死んだんじゃない?
とかですね。
いや、そんな風に黙殺されても、生きている人間は生きている。
むしろ、生きているのに生きていない人間が如何に多く在り続けていることか。
まぁ、価値観の相違というものである。
人の肉体は老いる。
そして肉体は死ぬ。だがしかし、それでも死なない人間は多く在り続けている。
だいたいこの地球上に人間が存在するようになってからどれほどの年月が経過してどれほどの人間が死んだか。その数は、現在地球上に肉体を持って生きている人間の比ではない。全くない。いや、全く無くはない。
そもそも、生きているとはどういうことであるか。
何か、息をして、物を食べて、糞尿をたれて、口を開けばつまらない腹が立つ気に入らない不味い憎らしいしか言えない人間が生きていると、胸を張って言えるのか。
いや、生きているとは、取り敢えず、生きていてよかった、と、思えることであろう。
そして、わたしは生きていると、私は生きていなければならないと、強く思えることかが重要なのではないか。
そして、その人が存在していたことを、他人から喜ばれながら、なおかつそのことを喜んでいる。それを、生きている、というのではないか。
まぁ、それはともかく、人間は死なない。
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