プロローグ

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プロローグ

 空を見上げて、思い出す。  せつなくて、ちぎれそうなくらいに苦しい。  あなたと出逢わなければ、きっとこんな気持ちになんてならなかった。  喜びも、寂しさも、全部分かち合ってきたと思っていた。  繋がれていたはずの手が、一瞬のうちにほどけてしまって、どうしようもなくなった。  もう一度、〝元に戻れるのなら〟と、何度願っただろう。  見上げた空は街の灯りが滲んで漆黒と煌めきの間に、目には見えないほど僅かな力で、星は瞬いている。  いつか、「満天の星空を見に行こう」そう約束したあの日の願いを、見えない星に祈ってみても、その願いは、もう叶うことはない。  口ずさむそのメロディと、切ないほどに痛々しい言葉の羅列が、自然と涙を誘いだす。  星に願いをかけるよりも簡単に、この想いを消せる方法が知りたいと、  何度も心の中で叫んだ。 c37c1441-387f-4a76-ad62-6c5f10b88478
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