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「大上って自由な奴だとは思っていたけど、俺が思っていた以上に自由な奴だったんだな」
「やて、自分の人生なんやもん。自分の好きなように自由に生きたいやん?」
当然、と言わんばかりにニコニコ答える大上の言葉に俺は感心した。
仲のいい友達が数名はいるようだが、彼女はグループを一切作らない。それが彼女が最も目立つ理由でもあった。
作っても、一ヶ月ももたずにそのグループからふらっとどっかにいってしまうから、グループ重視の女子たちから反感を買われていた姿も見たことあるほどだったことを思い出す。
けれど彼女は、全く気にしていない。
もし嫌われたらそれまで、と自分の中で区切りをつけて必要最低限の関わりのみにすることで、目立つ時もあれば、全く目立たない存在になる時もある。
だから俺は最初、いつもと違う姿とはいえ大上だと気づけなかった。
今思えば、あの時は目立たない存在として徹底している日だったのだろう。
「でも皆優しくてええ人ばっかでさぁ。たまに合わへんな~、となる時もあるけど、ウチはこの学校内で嫌いな人おらへんわ」
そう言って笑う姿は、どんな光よりも輝いている。
誰が見ても普通とは違うちょっと特別な存在と共にいれるというのは、やはり悪い気がしない。自分まで特別になった気がして、彼女との時間を出来る限り続かせたいと俺は強く願っていた。
……そう、彼女とのつながりがおかしくなければ。
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