Chapter.1

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「テスト範囲をうっかり間違えたか」 「何ですって……?」 「オレもうっかりしていた。 マルマル違うところを テストに出してしまったからな」 畔原の饒舌な口が閉ざされた。 清志はテストの紙束をめくって 何枚かを手元に残す。 「そうなると不可解なところがある。 何でコイツラは点数がいいんだろう」 青木鏡花、87点。 七瀬遙、72点。 その他計6人ほど。 「べ、勉強したんじゃ……」 「違うな。ズルしたからだ。 お前から解答を買ったからだよ」 「そ、そんなの…… そんなの、何の証拠にもならない……」 さっきまでの元気は無くなっていた。 清志は最後の切り札を切る。 「とにかく先生がミスをした。 だから便宜を図る事にする」 畔原の顔が機械的に上がる。 「全員100点にする。 でもお前言ってたよな? カンニングしたらゼロ点だって」 「はぁ……? 」 「この6人は0点にする。 その場合、どうなると思う?」 畔原は焦燥しているものの ピンと来ていないようだ。
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