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「テスト範囲をうっかり間違えたか」
「何ですって……?」
「オレもうっかりしていた。
マルマル違うところを
テストに出してしまったからな」
畔原の饒舌な口が閉ざされた。
清志はテストの紙束をめくって
何枚かを手元に残す。
「そうなると不可解なところがある。
何でコイツラは点数がいいんだろう」
青木鏡花、87点。
七瀬遙、72点。
その他計6人ほど。
「べ、勉強したんじゃ……」
「違うな。ズルしたからだ。
お前から解答を買ったからだよ」
「そ、そんなの……
そんなの、何の証拠にもならない……」
さっきまでの元気は無くなっていた。
清志は最後の切り札を切る。
「とにかく先生がミスをした。
だから便宜を図る事にする」
畔原の顔が機械的に上がる。
「全員100点にする。
でもお前言ってたよな?
カンニングしたらゼロ点だって」
「はぁ……? 」
「この6人は0点にする。
その場合、どうなると思う?」
畔原は焦燥しているものの
ピンと来ていないようだ。
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