王子の器

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一通りの知識を埋め込んだ後、ベラは一息ついてからソファに深く腰かけた。 「ティーナもリラックスして。これから世間話するから」 事前に世間話をするからと言われると少し身構えるが、ベラの教えは重要だと短い時間で知った私は紙とペンを持ったまま、ベラの隣に深く座った。 「さてと、王子のことについて話しますか」 そして取り出したのは私でも見たことのある王様、そして五人の青年の映った写真だった。 「これを撮るのに苦労したんだから。順に説明するわね」 そう言ってベラは一人一人指さして話をしていった。 第一王子リロン様。 黒髪で黄色い瞳が特徴。 背が高く、一番にこやかな顔をして映っている。 第二王子ライド様。 ピンク髪で緑色の瞳が特徴。 彼も笑っているが、身なりは派手で思わず怯んでしまいそうな感じだ。 第三王子ザーラ様。 銀髪で青色の瞳が特徴。 彼は笑ってはおらず、ただまっすぐ前を向いている。真面目そうな人だ。 第四王子イース様。 ブロンズの髪に翡翠色の瞳が特徴。 彼も笑っておらず腕を組んでそっぽを向いている。 第五王子ミルロ様。 銀髪で左右の瞳の色が違うオッドアイ。 彼はザーラ様の後ろに隠れていてあまり顔が把握できない。 「と、まあこんな感じよ」 ベラが全員を指さして名前を言った後、私に向かい合った。 ベラの瞳は真剣ででも憐れむような目にも見える。 優しさからくる哀しみというのだろうか。 彼女には一日でこんなにも打ち解けてしまった。 その彼女ですら手に負えない人たち。 なんの問題があるのかわからないと対策も打てない。 それに、問題の力が誰に隠されているのかすらわからない。 「王子はみんな問題を抱えているの?」 ベラは一つ息をこぼしてから頷いた。 そして説明してくれた。 王子それぞれの問題を。
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