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初恋 〜あの頃の時間(とき)〜
私の高校に今日から新しい教師が来る。
かなりのイケメンで、尚且つ独身だという事で、女子校である我が校の生徒たちは俄然、色めき立った。
「玲子、さっきから静かね」
「だって興味ないから」
「あ、そうか玲子には彼氏がいるもんね」
「今はいないよ、誰とも付き合ってない」
「だって、あの彼氏は……」
「付き合って直ぐに分かったの。この人、浮気性だって」
「あ、それはダメだわ。治らないって聞くもの女好きな男性は」
「私もそう思ったから、あっという間にサヨナラしました。付き合った内に入らないくらい短い期間だった」
「でも、まあ、良かったじゃない。そんな男なら付き合っても時間がもったいないだけだから」
「ありがと茜、慰めてくれて」
「思ったことを云っただけよ」
ガラッ
「はい、みんな、席について」
担任の小宮山が入ってきた。
今朝も髪型は頭に大きな団子を乗せてるようなスタイルだ。
付けまつ毛もバッチリと真っ黒だ。
顔のシワを延ばすためか、思いっきり髪を引っ張っているので、生え際の毛を見ていると痛々しく見える。
「みんなは、もう訊いていると思うけど、今日から新しい先生が、この高校で教鞭を取る事になりました」
小宮山のメガネは今朝も下へ下へとずり落ちてくる。
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