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調剤薬局にて
私の隣では、排便に難のあるご婦人が薬剤師と念入りに話をしている。
便が緩くて止まらないのだと言う。夜中に10回は起きてトイレに行く。頻尿とは全くタイプの違う『不眠と漏れ』の恐怖に憔悴しきっているようだ。
話し方の様子から、そう伝わるものがある。
何らかの治療を別にされており、その際の点滴による水分摂取過多なのでは? とご婦人は推測する。
ご飯も粥状のものだったから、なおさらだったのではとも続けていた。
薬剤師は、それもあるかもしれませんとし、成分調整された下痢止めを支度、説明。
変化がみられたら、再度調整ということとなった。
夕食を粥状のものから変更するとか、夕食に汁ものは避けるようにするとか、夕食の配慮について話が進んでいった。
私は大衆と同様スマートフォンをいじっていた。
隣の話は大いに耳に入ってきてはいたが、ついたて向こう、顔も分からず詳細も分からず、プライバシーのこぼれ方について思考してみる。
するとここで、会話泥棒の起動。
『夕食についてのレシピを探してますか?』
でた、盗み聞き。
偉そうに言える立場ではないが、グーグルさんには関係のないことだし、私の声ではないものを拾った。
与えられた仕事をこなしたいのだろうけど、私のことをもう少し考慮してほしい。
何しろ私は、明日の朝から市の検診なのだ。
絶食なんだー!
夕食のレシピだって?
消化の良い具なし蕎麦、以降は水!
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