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 なんだって?  一緒に、音楽を――?  目を見開いた絢斗に、志は真剣な眼差しで続けた。 「楽器を勉強しろって言ってるわけじゃない。曲は俺が作るし、歌も俺が歌う。絢斗はこれまでどおり、自由に詩を綴ってくれればいい。ただし、その詩は俺が歌うことを前提にして書いてほしいんだ」  全身に熱いものがほとばしるのを感じた。  夢のような提案だった。なんの力もない自分の書いた詩を、志が歌にしてくれる。これまで書き溜めてきた詩は、いつか誰かに届けばいいと絢斗はひそかに願っていたのだ。  その夢を、志が叶えてくれようとしている。志の美しい歌声に乗せるという最高の形で。  絢斗の瞳が潤んだのを見て、志はふわりと微笑んだ。 「さっき教えたYouTubeのチャンネル、今は既存曲をカバーした動画しかアップしてないんだけど、いつか自分だけのオリジナルソングを作れたらいいなって、ぼんやりとだけど思ってたんだ。絢斗と二人でやるんだから自分だけの曲ってわけじゃないけど、それでも、俺たち二人のオリジナルであることに変わりはない。きっと楽しいと思うんだ、俺たち二人でやったらさ」  僕たち二人の、オリジナル――。  心臓が小さく跳ねる。二人、という言葉の響きに、胸の奥がこそばゆくなった。  二人で作ったオリジナルソングを、多くの人に向けて発信する。志の歌で。大好きな志の歌声に乗せて届ける。  考えただけでからだが震えた。最高だ。断る理由などどこにもない。
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