妄想と現実と理想

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妄想と現実と理想

「最近カレシが重くてさ〜〜〜。」 「ウチのカレシもめんどくさくって〜。」 「文って、彼女欲しくないの。」 「え、彼女って、、俺にできるわけないよ。」 「また悲願的になる。文、髪切ればいいのに。」 咲良が文の前髪に軽く触れる。 「そんな、俺のこんな顔、、」 文は顔を逸らす。 咲良の指が、文の前髪から離れる。 「だからまた悲願的に、俺は文の顔、好きだよ。」 「じゃあ、咲良以外に好きになって欲しくないから切らない。」 「…へぇ〜〜。。。」 「…へぇって。咲良が言い出したんだろ。」 「なんだか文、俺の扱い慣れてきたね。」 「あ、あ扱い?扱いって、、」 「もしかして、俺の気持ちに気づいてる?」 「気持ち、、、」 (((((((((((((((( 壁ドン ))))))))))))))))))))) 「ッ!!咲良っ!!」 「文、俺、お前のこと……。」 はっっっっっっっっっっ という夢を見た。 どうしよう。 「咲良って俺のこと好きなのかな?」が頭から離れない。 前々から気づいていたはずなのに、実感が日に日に増していき、ついに夢まで見るようになった。 少女漫画脳が生き生きとしている。 登校の足が思い。 「文ー、咲良くんがむかえにきてるよー?」 母さんの声が聞こえた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「咲良、俺、好きな人、できたかも。」 「……は?あっ、へぇ〜〜。。。誰?」 「その、お前は覚えてないかもしれないけど。」 「お、おう、、、」 「へへ、野村さん。」 「誰だァーーー〜ーー!!!!!」 そんな夢を見た。 この気持ちが友情以上であることはしっている。 知っているが、恋かどうかは知らない。 ただの嫉妬、文と一緒に居られなくなるのが怖い。 だからこんな夢を見る。 夢がその人の願望ということを俺は決して信じない。 信じないぞ。 信じないぞ!! 時計は朝6時をすぎていた。 隣の壁の奥には文がいる。 もういっそ一緒に住んでいいんじゃないか? そしたらこんな夢を見ることも、、、 いやあるな。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「おはよう、咲良が迎えに来るなんて珍しいな。」 「おはよう、ちょっと目が覚めて、、」 2人、なんだか気まずい雰囲気だった。 「な、何かあった?」 文が思いきって咲良に問いかける。 長年の付き合いで、咲良の異変に気づく文。 文の異変に気づかないくらいの動揺を隠し持っていた咲良は、文からの予想外の言葉にさらに動揺した。 「…別に。」 「なんでそんなあからさまに顔逸らすんだよ。」 「…別に。」 咲良はいつも動揺を隠すのはうまい。 うまいはずなのに今日はどうも調子がおかしい。 なぜだろう、と咲良は文をチラッとみる。 そのとき、バチッと目が合った。 今度は文が顔をバッとそらした。 文も無意識でした自分の行動に勝手に驚いて、勝手に夢を思い出して赤面した。 それを見た咲良はニヤーっと嫌な笑みを浮かべる。 「なんだよ、文もなんかあったんだろ?」 「べ、別に。。」 文も嘘が下手になった。 だが、文は元々嘘をつくのが下手だった。 立場が逆転し、咲良が文をつつく。 「いっつも思ったことズバッと言ってる文がかくしごとなんてらしくないぞー。どうせ、嘘が下手でバレるんだから、あの小5のときみたいに、」 「やめろー!!それは人生最大の汚点なんだ!もう二度と聞きたくないし思い出したくない!!」 文は自分の耳を塞ぎしゃがみこむ。 咲良も文の前にしゃがみこみ、わざと小声で 「あのとき文の極秘ノートが、風で飛ばされて」 「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」 謎の発狂をしだした文は、立ち上がりその場をぐるぐると回る。 咲良がにやーっとしたまま、謎の行動をとる文に 「ホントのこと教えてくれたらもう言わないぞー。」 「ホントか。」 即回るのをやめた文は、そう返答したものの、今回のことを話したらもっと黒歴史になることに気づく。 「…咲良が先に教えてくれたら言う。」 「え?そ、れはちょっと、、」 「言ってくれないなら、五十嵐 咲良 は隣の女子校に夜の3時にパンイチで入ったって嘘流す。」 「いや、誰も信じないだろ。」 「俺が言ったら信じるだろ。」 「たしかに🦀」 「さあどうする。」 咲良は究極の選択を迫られた。 自分でも自分の気持ちがどれに分類されているのかわからない中、パンイチの情報を流されるか、この苦行を本人に言うかの究極の2択だった。 「…いいよ、パンイチでも。」 「いや良くないだろ。」 「俺は、文に流される噂なら、なんだって受け入れるさ。」 「いや俺が嫌なんだけど。」 「俺、文と一緒ならなんでもいい。」 「待て、俺も一緒に行った設定になるのか?」 「もちろん、俺がいるところに、文が居ないわけないだろ?」 「たしかに🦀…かに。」 「………。」 二人ともお互いがいない時の方が少ない生活を送ってきた。 今の会話が2人にかなりの影響を与えた。 「文、何言っても、一緒にいてくれる?」 「あ、えっと、うん。多分…。」
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