それは恋か

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「おかしい、ただ手をつないでるだけなのに。」 「キスしていいとか聞くからだろ!!」 「文が言い出したんだろ!!1番最初に!!」 「そうだけど、、」 「文はできるのかよ、俺にキス。」 「それは、」 「恋人ならするだろキスの一つや二つ。」 「わかんねえよ。女の子とあんま話したことないし、友達だって、咲良しかいないし。」 「まぁ、恋人に昇格したわけだけど。」 「咲良こそ、そういうの詳しいんじゃないのかよ。」 「残念、俺一途だから、」 「一途って、」 「一途だよ、誰かと付き合ったことないし。」 「…告白めっちゃされてたじゃん。なんで断ってたんだよ。1人ぐらい。」 「それ、文が言う?俺は、文以外興味無いから。」 「そっか、、、」 咲良が繋いでいる手と反対の手で文の前髪を触る。 「前髪、切ればいいのに。俺、文がもっとかっこいいって、知って欲しい。」 文がよける。 咲良の手が前髪から離れる。 「やめろよ、俺なんかの顔みたって、、」 文が今日見た夢を思い出す。 前髪から離れた咲良の手が文の頬に触れる。 「俺、文意外のやつに興味無いけど、文をバカにするやつは大っ嫌いだから。」 咲良の手が冷たい。 「文の顔好きだよ。」 まじまじと見ながら真剣に言う咲良が、あまりにもかっこよく見えて、文の顔が赤くなる。 必死に対抗しようと、 「お、俺はー、俺は、咲良以外の人に顔見られたくないし、それに、さ、咲良以外の人に好きになってほしいとか、思ってないし。」 「へぇ、そっか。」 咲良の冷たい手が離れる。 逸らしていた視線を咲良に合わせる。 咲良は手で目を覆い、天井を向いていた。 「咲良、首、90度に曲がってるぞ。」 「…うん、知ってる。」 夢とは違う反応に、文は驚いた。 夢通りだとしたら、壁ドンをされていた訳だが。 咲良と繋いでいた手が少し汗ばんでいた。 「文、手、1回離していい?手汗すごいから。」 「あ、うん。」 恋人繋ぎしていた手を解く。 咲良の離した手が、反対の手と合流し、顔をおおった。 「なんだよ、照れてんのかよ。」 文は少しからかってみた。 「…文が嬉しいこと言ってくれたから。」 「嬉しいこと、ああ、咲良以外に、、、」 文は自分が思った以上に恥ずかしいことを言っていることに気がついた。 「ちがっ!!語弊だ!!!語弊!!!」 「語弊じゃないだろ。逆に傷つくな。」 「ご、ごめん、、」 「……文さ、ここは公平に、キス、お互いにしようぜ。」 「お、お互いに、、」 文が視線を落とす。 「いいけど、」 顔を上げると、すぐ近くに咲良の顔があった。 驚いて、目をつぶると、咲良が文の前髪を上げ、おでこにキスをした。 「へ、お、おでこ?」 また前髪が目にかかる。 「何?口にして欲しかった?」 「そうじゃないけど、、てか、いきなりするなよ!驚くだろ!!」 「あーごめんごめん、はい、次文から。」 咲良が目を閉じる。 文は、どうしようかと戸惑う。 ここでしないと後で咲良に何を言われるかわからない。 文は、戸惑ったまま、咲良にキスをした。 咲良の頬に。
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