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「お父さん!!隼人がしてたことは、私が指示してた!! 全部私が指示して、隼人にやってもらってた!! この会社を大きくするために!!」 相川社長の娘、結月さんが涙も鼻水も垂れ流して相川社長に訴えている。 「結月はそんな頭ないだろ、俺がお前のことを利用してただけ。」 「違う!!私が指示・・・出来なかったとしても、私は全て知ってた!!! お父さん!!私は全部知ってた!!!」 結月さんが村田隼人を強く抱き締めながら、まるで守っているように抱き締めながら叫んでいる。 「隼人が罰を受けるなら、私も!!! 隼人だけにそんなことさせない!!!」 「でも、お前取り調べでちゃんと話せるのかよ? 俺の話何も理解出来てないだろ?何も。」 「ああいう複雑な話は分からないから!! 仕方ないでしょ!!!」 「何も理解出来てないなら難しいかもな。 お前、本当に何も理解してないからな。」 村田隼人が面白そうに笑ってから相川社長を見た。 「結月は優しい奴なんで、俺がその優しさにつけこんで利用してました!」 「隼人・・・!!」 結月さんが大きな声で泣く。 大きな大きな声で・・・。 結月さんの調査はしていなかったので、私達はポカンとしていて・・・ 相川社長だけが困った顔で笑いながら・・・ 「社長の娘だからね、世間体を大切にしてくれたね。」 そんなことを言った・・・。 「隼人が結月の1番の理解者だということは理解していたから結婚は賛成したんだ。 入籍はしない事実婚だとしても。」 婿養子である“村田”隼人に。 結婚しても“相川”隼人ではない“村田”隼人に。 相川社長はそう言って・・・ 「まさか、隼人までそうなのだとは思わなかった。 結月の世間体を守るために協力してくれているだけかと思っていたよ。 でも、結月は苦しそうでもあったから。 不倫調査として隼人が他の女性と外で関係を持っている証拠を出して、2人の関係性や結月の本当の気持ちを聞き出したいと思ってたんだ。」 .
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