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☆本橋 星神....... 約1ヶ月後・・・ 日曜日、弟さんに連れられやってきたのは立派なマンション。 この前も来た社長のお家。 「そんな緊張すんなよ、俺まで変に緊張してくるだろ。」 「緊張しますよ・・・。 11人もご家族がいらして、その全員から弟さんとの結婚を認めて貰えるか・・・。」 たった1ヶ月の間で、弟さんとの結婚の話が本当に進んでいき・・・ 今日は先に弟さんのご家族に挨拶に行くことになった。 「俺の方は大丈夫だろ。 それより、こっちが先でよかったのか?」 「お父さんは弟さんのことを知ってるからか、11人もいるから先に弟さんの方へって。」 「そうか・・・。 あのさ、俺の兄貴も姉貴も妹も腹違いの弟も・・・全員良い男で良い女だからな?」 「はい、何度も聞きました。」 ここ数日、弟さんは毎日のようにこの話をする。 そして・・・ 「その配偶者達も良い奴だけど、結婚してるからな? あ・・・妹はまだしてねーし相手は海神の兄貴か。 おっかねーな・・・全員に会わせるのが。」 毎回この流れになる。 「海神ちゃんのお兄さんに会う方が私も怖いんですけど・・・。 弟さん、3年間も好きだったんですよね?」 「良い男だからな、俺の大きな海なんだよ。 あいつのお陰で俺は兄貴達と肩を並べられてたんだよな。」 「何回も聞きました・・・。 海神ちゃんよりも海神ちゃんのお兄さんの方が怖くなりました。」 「だよな・・・俺も。」 “好きな人の妹である海神ちゃんに恋はしなかったですか?” そう聞いた私に弟さんが首を傾げながら・・・ “俺の海は真坂の海だけだからな、大きな海。 2つも海はいらねーだろ。” そう言ってから・・・ 「真坂には“明かり”があるけどな。 夜空の“星”まで欲しいとかならねーか怖い。 それに、星神は海神が好きだからな~・・・。 あの海神の兄貴だから、良い男だから覚悟しておけよ。」 こう言う。 この話をお互い毎日のように繰り返している。 そして・・・ 「弟さんって・・・私のことが10年間も好きだったんですよね・・・?」 「だから口説きまくってただろ!!」 大変なことに、このやり取りまで。 「星神は俺の“女神”だからな!!」 弟さんが嬉しそうに、幸せそうに笑ってそう言って・・・ 扉を開けた・・・。 社長のお家を。 社長と雷さんのお母さんでもある奥さんのお家を。 “木葉男”さんから、結婚して“天野男”さんになった社長。 弟君を養子縁組するために奥さんの姓を選んだ社長。 弟さん達のお兄さんでもあり、弟君達のお父さんにもなった社長。 そんな社長が・・・男さんが、優しい笑顔ですぐに玄関まで迎えに来てくれた。 男さんの優しい笑顔にわたしも自然と笑顔を返す。 “社長”でもあり“お兄さん”でもあり“お父さん”でもある。 男さんの隣に立った綺麗な女の人・・・。 男さんよりは年上に見えるけど凄く綺麗な女の人・・・。 優しい優しい笑顔が、男さんにとてもよく似ていた・・・。
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