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「誰でもよく起こることだろうな。 あの難波さんだって奥さんに聞けなくて調査依頼をしてきたくらいだしな。」 男さんが困ったように笑いながらそう言って、“俺もよく分かるよ”と。 「難波さんって、奥さんに他に好きな人が出来たと思ってたんですよね!? それが調査で分かったら手放してあげようとしてたので、あそこまで深く調査して本当に良かったですよね!!」 海神ちゃんが興奮したように話している。 それにはわたしも大きく何度も頷いた。 「私が接待費のことを聞いて答えてもらった後、“旦那さん、小池さんに好きな人がいるなら別れてあげたいって思ってますよ”って言ったら凄く驚いてて!! 泣きながら一気に村田隼人とのことを話し始めてくれたのでよかったです!!」 「本当によかったよね。 小池さんは小池さんで、自分と結婚をしたから旦那さんが降格になって支社に飛ばされたって噂話の方を信じちゃってて。」 「しばらくはうちの会社の女の子達にも必死に否定してたらしいけどね! でも相川薬品の社長の婿養子、村田隼人から直接そう言われて。 それから小池さんの様子も変になっちゃって、旦那さんは色々と考えちゃって・・・」 「小池さんのことを、都内にある実家から会社に通うよう言ったんだよね?」 わたしがそう言うと、海神ちゃんは悲しそうな顔で頷いた。 「小池さん、新幹線で通勤してたから定期券代が高額で。 でもこの前の定期券代は、旦那さんからそう言われちゃったから取り敢えず払い戻したみたい。 現金で新幹線使って旦那さんの方に帰ったり実家に帰ったりしてたらしい。」 「旦那さんは最初、小池さんが仕事で疲れてるのに自分の所から通勤してるのが大変なのかと思ってたんだよね・・・。」 「小池さんからしてみたら、自分と結婚して降格になって支社に飛ばされたって村田隼人から聞いた所だったから、旦那さんは本当は自分と結婚したことを後悔してるかもって思ってたって・・・」 海神ちゃんが言葉を切って、ダイニングテーブルに突っ伏した・・・。 「すれ違い過ぎだからー!!!! しかもその後に村田隼人から“旦那さん取締役に戻せる”とか言われちゃって!!!」
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