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「今回のことは、星神と海神が再会したお陰で早く真相に辿り着けた。」 弟さんが真剣な顔で海神ちゃんとわたしを見た。 それに笑って頷くと・・・笑って頷いたのに弟さんは笑い掛けてくれなくて。 それに少し心配していると・・・ 「俺からも1つ聞いていい?」 「はい・・・。」 何かと思っていると・・・ 「俺のこと、いつから好きでいてくれてたんだよ? 連絡先を交換した元客は海神だったって分かったけど、俺には連絡先も教えてくれなかったし受け取ってもくれなかっただろ、10年間。」 そんなことを少し怒った顔で言われてしまって・・・。 恥ずかしいけど、ちゃんと話せていなかったのでこの機会に答えた。 「いつからか具体的な時期は分からないくらいですけど、弟さんが父の喫茶店に来るようになって1年くらいにはもう恋をしてしまっていました・・・。」 それくらいには、弟さんの顔が・・・。 もう、すっっごく“恋をしている”顔で見てくれていたから。 わたしが答えると弟さんは凄く驚いた顔をしていて・・・ 「・・・どう考えても俺は相手にされてなかっただろ。 連絡先も、“星見に行こう”にも絶対に応じてくれなかった。」 「それは・・・父から喫茶店の中での誘いには絶対に乗らないように言われていたので・・・。」 「本橋さんから・・・?何でだよ?」 「あそこは調査員達の“隠れ家”なので、わたしに声を掛けるのは調査員が情報を受け取る為でもあるって。」 弟さんが目を見開き驚いている。 弟さんだけではなく男さんも。 2人がこんなに驚いているのは珍しい。 「星神、“隠れ家”のこと知ってたのか?」 「はい、父のお仕事が調査員なことも知っていたので、幹部になった時に“隠れ家”を任されたことも知っていましたけど?」 「それは・・・考えもしなかったな。 うちは基本的には家族の女の子には色々と秘密にして動くような家だったから・・・。」 弟さんがそう言って男さんを見た。 男さんもそれに真面目な顔で頷いている。 「あの、私も驚きました。 父からは、喫茶店の外でも声を掛けてくれた人の言葉だけは信じるように言われていて。 ・・・でも、そんなお客さんは誰もいませんでした。 誰も・・・いなくて・・・。」 少し泣きそうになりながら弟さんに笑い掛ける。 「喫茶店の外でも声を掛けてくれることはなくて、喫茶店にも来ることはなくなってしまって・・・。 そしたら、就職した調査会社に弟さんがいて・・・。 また会うことが出来て嬉しかったですけど、調査員だったと分かって・・・あの10年間は全て演技だと思っていたので、驚きました。」
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