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それからは、もうぐちゃぐちゃで・・・。
弟さんのお母さん、クラブのママをしている“ママ”がご馳走を持って豪快に登場したかと思ったら・・・。
お腹が少し大きくなっている紅葉さん、1歳になった甥っ子を抱っこしている明さん。
そして・・・
「お前ら、“社長”と“取締役”の会社で働いてるんだろ!?
ちゃんと仕事してるのかよ!?」
“アヤメ”さんだったという“剛士”君。
「「「「ちゃんと働いてるよ~!!」」」」
4人の“弟”がニコニコと“剛士”君にそう言って・・・
「あ!星神さん、今領収書渡してもいい?」
「俺も~!!」
「「俺もだ!先月出すの忘れちゃった!!」
と、“弟”達がバタバタとそれぞれの部屋に。
いつもちゃんと提出しているのに、そんな演技を“剛士”君の前でしている。
「あいつら・・・迷惑掛けてない?」
剛士君が心配そうな顔でわたしに聞いてくるので、それには笑顔で首を横に振るだけにした。
わたしに演技力はないので余計なことを言わないように・・・。
そんなわたしのことを、剛士君の隣にいた奥さんが可愛い上目遣いで瞬きを繰り返していた。
弟さんの11人のかぞく、剛士君の奥さんと天使のように可愛すぎる息子君、オーシャンさん、海神ちゃん・・・。
大人数なのに何故か・・・
「なんでこんなに狭いところに・・・?」
広いリビング、それなのにテレビ前のスペースに全員でくっつき合って喋り、食べて、呑んで、呑んで、呑んで・・・。
その中を可愛すぎる天使が溢れる笑顔でヨチヨチと歩いている。
そのキラッキラな光景にわたしは笑いっぱなしだったけど。
隣に座る海神ちゃんは真顔で大人しく座っていて・・・
「海神ちゃん、大丈夫・・・?」
「・・・あ、うん。電源切ってた。」
「電源?」
「こんなに沢山いて全員煩いし、私1人喋らなくても何も問題ないから。
星神ちゃん、私普段は演技してるんだよね。
本当は大人しくて冷めてる人間だから、ごめんね?」
と・・・。
スンッと冷めた顔で、そんな驚く発言をしていた・・・。
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