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突如ドーンという大きな爆発音が聞こえて、俺は空を見上げた。青い空に、ピンク色の雲がもくもくと浮かんでいる。雲は、ハートマークの形をしていた。
「くそっ、またか……」
俺は腰につけた無線機を手に取って、本部に連絡を入れた。
「こちら、恋の爆発物処理班、春風(はるかぜ)マモル! パトロール中に、例の爆発を確認。現場に急行する!」
すると無線機から、本部の指示が聞こえた。
「待て、先ほどの爆発はこちらで処理する。それより、次の爆発予想地点が分かった。場所は3丁目の、栞(しおり)ヶ浜海岸。そちらに急いでくれ!」
「了解!」
俺はそう言うと、自転車に飛び乗って、目的地の海岸を目指した。
俺の名前は春風マモル。警視庁・恋の爆発物処理班に所属している、6年目の28歳だ。
俺が爆発物処理班に憧れたのは、7歳の時。テレビドラマで見た爆発物処理班の勇姿に憧れて、俺もみんなを守りたいと思った。
そして大人になった俺は、夢だった爆発物処理班に入隊した。しかし俺が配属されたのは、「恋の爆発処理班」という、特別チームだった。
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