恋の爆発物処理班・春風マモル

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 時は2112年。日本では、謎の爆発現象が多発していた。  調査の結果、恋人たちの愛が頂点に達した瞬間、あふれ出た思いが空気中の成分と反応して、本当に爆発すると分かった。  これまで爆発で怪我をしたり、亡くなった方は一人もいない。しかし一つだけやっかいな問題があった。爆発によって放たれた、恋愛オーラだ。  恋愛オーラは、爆発地点から3キロ圏内にいる人の恋心を、さらに刺激する。するとまた恋に落ちる人が現れて爆発が起きる、という連鎖が生まれる。  この連鎖によって学校や仕事をやめ、恋愛に夢中になる人たちが続出。日本のGDPは最盛期から8割も減ってしまった。これが世に言う、恋の大爆発事件だ。  相次ぐ爆発から市民を守るため、警察はある対策を始めた。防犯カメラの映像から、本部が独断と偏見でいい雰囲気の恋人を発見。連絡を受けた俺たち隊員は、すぐに現地に駆けつける。  そして俺は恋人たちに対して、すぐに別れるよう説得する。もし説得がうまくいかなかった場合は、緊急措置として、彼らを引き離してでも恋の成就を防ぐ。      これこそ、俺が所属する恋の爆発物処理班の仕事だ。決してみんなに嫌がらせをしたいわけではない。あくまで平和のための活動なのだ! 
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