恋の爆発物処理班・春風マモル

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「ちくしょー。恋愛なんて、くそくらえー!!! 」  俺は自転車を漕ぎながら、叫んだ。八月の太陽が、俺を容赦なく照らす。吹き出した汗で、制服はびしょびしょだ。  15分後。俺は、浜辺に到着した。すると波打ち際で、一組の男女が手を繋いで立っていた。二人とも海の方を見ているので、顔は見えない。  俺は彼らに駆け寄った。俺は手に持った警察手帳を二人に見せて、大声で言った。 「こら君たち、今すぐイチャイチャするのをやめなさい! 急に爆発するかもしれないから、危ないぞ」  すると金髪ショートヘアの女性が振り返って、俺を見た。げっと顔をしかめた彼女は、隣のスーツを着た男の肩をたたいた。 「ねえ、タクヤ。警察よ。めんどうなことになったわ」  すると男性も振り返って、俺の方を見た。黒髪に赤い縁の眼鏡をかけていて、年はニ十歳くらいだろうか。タクヤは顔をしかめて言った。 「俺とミホは、本気で愛し合ってるんです。だから邪魔しないで下さい」  冷ややかな視線を向けてくる二人に、俺は諦めずに声をかけた。 「恋愛なんて、いつかは壊れてしまうものだ。一時的に夢中になっても、後から後悔するだけだぞ。わかったら、今すぐここを離れなさい!」  しかしタクヤは俺の言葉を素直に聞かず、大声で叫んだ。 「うるせぇな! 俺はこれからミホにプロポーズするの! だから、黙ってそこで見てろよ」  するとミホも、俺を睨んで言った。 「さっきから恋愛のことを分かったふうに言ってるけど、お巡りさんは恋をしたことがあるの?」  その質問に、俺は一歩後ずさりをした。脳裏に浮かんだのは、最愛の妻・ナツミだった。
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