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宇宙人がある目的をもって地球人に自身の存在を知らしめたあの日がなければ、今でも多くの地球人たちは自分たちだけが唯一無二の知的生命体だと信じて疑わず傲慢な生活をしていたに違いない。
宇宙人はきっといるという根拠のない夢見がちなロマンチストを除いては。
それでも、あきれながらも地球人に手を下さず放置していたのは、宇宙に何ひとつ実害がなかったからだ。
地球人がいかに戦争で殺しあおうと、環境破壊で自らの首を絞めようと、宇宙人には遠くの他人事でしかなかったのだ。
低技術しか持ち合わせない地球人が何をしようと、宇宙はノーダメージで傷ひとつつけられることはないのだ。
しょせん地球という小さな箱庭が一つ消滅するだけなら、別段慌てるようなことではないと、宇宙人は冷めた目で見ていた。
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