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「あの、トイレは・・・・・・。違った、避難場所はここですか?」
気が付いたら、黒いパーカーのフードを目深に被った男が背後に立っていた。
「うわ! どこから来ましたか?」
思わず尋ねてしまったのは、訓練だからエレベーターを使ってほしくなかった、という意味もあって。
でも一番には、気配が感じられなくて、めちゃくちゃびっくりしたから。
いやいや、泥棒なみに静かに動く人だ。
「天井から! じゃなかった、もちろん外階段からです」
内ももをこすりあわせながら黒フードの男は答えた。
「305の小山田です。あの、どこに並べば?」
焦燥感をにじませた声音で黒フードの小山田さんが問う。
「こちらジル様の後ろに並んでください。山下さんとメイちゃんもこちらですよ」
吉岡がてきぱきと誘導してくれて、三階住民の列が出来上がった。
☆303号室
仁科佐和子さん作品『密室恋愛』https://estar.jp/novels/25890698『出張密室恋愛』https://estar.jp/novels/25976147
宇佐見先生&春ちゃん、語り手出演ありがとうございます!
☆305号室
キツナ月。さん作品『305号室の水神』https://estar.jp/novels/25981445『ヒカリとカゲ』https://estar.jp/novels/26021338
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