Dear 運命の人

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Dear 運命の人

彼が、私の傍から居なくなってからも 日々は巡る。 激しく照りつける太陽は高く遠く離れ 雲はいつしかさざ波のように薄くなり 遠く見える山の頂上は白く色付き 外に出て吐く息は目で見えるようになる。 泣いていても笑っていても 時間(とき)は容赦なく過ぎ去るのだから… どうせなら笑って、過ぎ去る日々を感じよう。 同じ日々を過ごせることが 幸せなことだと思っていた。 同じ日々を過ごせば想定外(イレギュラー)な事は起きるはずがないから。 誰とも揉めることなく 誰にも傷つけられることもなく 自分自身誰も傷つけることなく 泣くことも、苦しむことも 眠れない夜があることも 同じ日々を過ごしていたら なかなか起こり得なかった。 だけれど… 彼と出会って何度も泣いた。 何度も苦しんだ。 何度も挫折して、その度に逃げ出そうとした。 思い返せば辛い事の方が多かったかもしない。 想定外(イレギュラー)なことしか起こらない彼と一緒にいた日々は、正に私にとっての想定外(イレギュラー)だった。 思い出す彼との思いでは、 楽しいことばかりではなかったのだけれど、 どの出来事も色褪せることなく鮮明に私の頭に刻まれている。 __「真夏!」 振り返ればそこには大好きな笑顔がある。 「市原さーん!」 手をぶんぶん振りながら彼の元へ行く。 どちらからともなく、 抱き合い、見つめ合い、存在を確かめ合う。 「もう一生離さないから、覚悟しとけよ」 「一生って…それじゃまるでプロポーズじゃん!」 「そのつもりだ」 ほら、、こうして想定外(イレギュラー)は突然やってくるのだ。 「私もそのつもりー!」 イレギュラーを恐れていては こんな事も起こらなかったかもしれない。 彼は照れくさそうに… でも真剣な目で 「愛してる、オレとずっと一緒にいてくれ」 彼のその顔と言葉は一点の曇もない。 もちろん私の返事も 「はい…!」 一点の曇もない。 __Dear  運命の人、 あなたと出逢って私は、たくさん泣いて、 たくさんの眠れない夜を過ごしたりもした。 なんの色味もない無色透明だった私の世界は 暗く色づいたり… だけど時には明るく色づいたり… 彩り豊かな世界が広がった。 たとえこの先どんな困難が待っていても… きっとあなたは私の世界を鮮やかに彩ってくれると信じている。 あなたは私の たった一人の運命の人だから__。
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