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再び高鳴る鼓動
市原さんと出会ってからの私は、
四六時中、彼のことばかりが頭に浮かんだ。
毎日の日課だった早朝ランニングも、
足のケガが治るまでおあずけ。
ランニングができない朝でも、
習慣付いた体内時計は狂うことなく
同じ時間に目覚めさせるのだ。
ランニングができないということ以外は
いつもとなんら変わりのない日常。
同じ時間に目覚め、同じ時間に準備し、
同じ時間に朝食を食べ、同じ時間に大学に行く。
同じ時間にバイトに行き、同じ時間に退店し
同じ時間に家路につく。
同じ時間に入浴し、同じ時間に眠りにつく。
全てが今までと同じルーティンだ。
だけど、今までと違ってしまったのは
早朝ランニングができないことだけではなかった。
市原冬真
気づけばこの人の存在が、
常に私の心と頭の中を支配した。
それは、朝目覚めても
夜眠る時も
市原冬真という男性が、頭から離れないのだ。
間違いなくイレギュラーな事が起こった。
生活のルーティンは何も変わってはいない。
イレギュラーな事が起こったのは
私の心そのものだ__。
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