過去

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清司には小学生からの夢があった。 「絶対に俺は大スターになって有名になるんだ!」 清司は数々のオーディションを受けてきたが一つも受かっていなかった。 何がいけないのかと思い、調べると『経験が大事』と出てきた。 そこで、まずは経験してみることにした。 次に受けるオーディションの役が舞台の付き合っていた恋人と不遇の別れをするといったものだった。 そこで彼はある女性と付き合った。幸い顔は良かったので相手はすぐに見つかった。 付き合ってから2か月、女性が少しずつ好意を向けてきた。 清司は一回目のオーディションは受けずに恋愛に専念した。 半年後、彼女の口から親の話が出た。 清司はそろそろだなと思った。二回目のオーディションも一週間後だ。 「ごめん、少し遠いところに行かなきゃなくなった」 「なんで?これからなのに」 「さよなら」 「待って!」 彼女はそう言ったが追いかけてくることはなかった。 清司は今回の恋愛を通じて学んだことを綴った。すると半年分のデータはとても良い情報の集まりになった。反省することも多かった。 そしてオーディションに向かった。 会場ではオーディションがアドリブで行われた。 清司は今回の経験を活かせる役を演じた。 審査員は、顔つきや声の抑揚が素晴らしい、と言って誉めてくれた。 清司は演劇の楽しさをもう一度味わえた気がした。 しかし、オーディションには受からなかった。 悔しさを胸にもう一度そのオーディションを受けた。 もちろんもう一度恋愛を経験した。 すると今度はもっと良い反応が得られた。 合格の通知がその後届いた。 舞台に送られる声援はとてもうれしく感じられた。 そして次に『殺裏』のオーディションを受けるために人を殺した。
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