泥棒指南

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「簡単さ。サクッとなにか盗んで泥棒になっちまえ。  そしたら追う側から追われる側になれるぞ」 「なるほど!」  拘置所から出たストーカー、  言われたとおりさっそく泥棒に手を染める。  ストーキングしていたからには  留守中の女の家に忍び込むのはお手の物、  手ごろなバッグを盗んでいこうとしたところ、  あえて帰ってきた彼女と鉢合わせ。 「泥棒!」  初めて自分を追いかけてもらえた。  逃げながらストーカーは嬉しさのあまり感涙にむせび泣いたのだった。  かくしてストーカーは追いかけてもらえるのが嬉しくて、  バッグ、靴、ネックレスなど窃盗を繰り返した。
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