大学生活

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純のお見舞い -つらい 「純、痛いから、離れて」 そう言って両肩を抑えるように引き離した。 「まずは、今恵ちゃんがスープを持ってきてくれるから、それ飲もうね」 「うん」 恵ちゃんが純の部屋をノックしてスープを運んでくれた 純が少し落ち着いたようだから、恵ちゃんにも同席してもらうように頼んで、スープを純に渡す。 「ねえ、かっちゃんに飲ませてほしい」 「あのね、何度も言うけど、純の彼氏はのぼる、俺は人の彼女にそんな事できない。だから ほら、飲んで」 「・・・・・・うん」そう言って自分で飲みだした。 ほとんど食事をしていなかったので、スープを飲むだけでも結構時間がかかった、ようやく飲み終え、俺と恵ちゃんは一安心。 「純、ちゃんと食事しなきゃダメだよ、それと大学行ってないんだって? 仕事も休んで、皆に迷惑かけてるんじゃない? のぼるさんに連絡してる?」 「ううん・・・・・・ごめんなさい」 「あっ、のぼるさんには私の方から連絡しておきました」と恵ちゃん 「ほら、恵ちゃんにお礼を言わなきゃ」 「うん、恵、ありがとう」 「落ち着いた?」「うん」 「じゃあ、帰るね」 「えっ、やだ、一緒にいたい」 「でも、俺も、明日大学あるから」 「ねえ、もうちょっと一緒にいて」 「じゃあ、もう少しだけ」それ以外の話はなるべく触れないようにした。 仕事の話や彼氏の話なんか聞いても・・・イヤな思いをするだけだから 恵ちゃんには申しわけないが、同席してもらったおかげで、純が変な事をしないで済んだし俺も冷静でいられて助かった。 1時間ほど一緒にいて、いいかげん12時近くなったので、 「純、もう夜の12時だから、そろそろ帰るね」 「えっ、もう帰るの? ねえ、泊れないの?」 「うん、さすがにそれは無理だよ」 「・・・・・・」 「わかった、それじゃあ、明日も来るよ」 「ほんと?」 「ああ」 「約束だよ」 「ああ約束」 「じゃあ、帰るね」 「うん」 「高谷さん、ちょっとお話があるんですけれど、良いですか」 「うん、いいよ」 「じゃあ、私の部屋にきていただけますか」 「うん、純ちょっと待っててね」 「うん」 そう言って恵ちゃんの部屋に  「あの、高谷さんは姉とよりを戻す気はないんですか?」 「ああ、それは、僕にその気があったとしても、おそらく無理だと思うよ」 「どうしてですか?」 「のぼるって言う人が信用できないんだ。あの人は純には婚約者がいるってわかっていて、純と2人で色々なところに行ったり、晩御飯まで2人だけで行って夜まで連れまわして純を家まで送ったりするし、僕が純を迎えに行っても平気で純と話し込んで僕を無視するような奴だよ、もし別れて僕と純が付き合ったとしても、仕事でずーっと一緒なんだから、今までと変わらないよね、純は何もしてないって言ってたけど、そのうち2人は最後まで行くと思う。 そんなの見え見えだからね、あの2人は何も変わらないよ、それがわかってて付き合うのは地獄だよ。 それに目の前であんな事されたから、もう耐えられないよ」 「そうですか、でも2人を近づけないようにしたら?」 「離すとしても同じ事務所だから、会う機会が減るだけだと思う。時間の問題だよ、そんなに変わらないよ」 「そうですね、それに、本当は恋愛禁止なのに隠れて付き合うって、ほんとひどい人だと思います。」 「まあね、でも、そもそも純がそれでもつきあう事にしたんだから、良いんじゃない、もう俺は何も言えないけどね、  純が良くなるまでは面倒を見るけど、それ以降はもう連絡はしないでほしいんだ、あとは純とのぼるの2人の問題だから、僕はもう関係ないよね」 「でも、何かありそうなんです。だからいっちゃんの彼女としてなら、連絡しても良いですか?」 「武村が了承した時だけね、ただこの家には来たくないな、あまりにも思い出が多すぎるし、純と会うのは俺もつらいんだよ」 「はい、わかりました」 「じゃあ、約束だから明日も来るけど、明日には終わらせたい。 なるべくこの家にはいたくないというのが本音」 「すみません」 「じゃあ、純に挨拶してから帰るよ」 「はい」 「おばさんには挨拶しないけど、その旨お願いします、じゃあ」 そう言って、恵ちゃんの部屋を出て、純の部屋に 「じゃあ、今日はこれで帰るね」 「えっ、もう帰っちゃうの?」 「ああ、明日も授業あるからね、明日も来るから、ちゃんと食事するんだよ」 「うん、明日、待ってる」 キスしてこうようとしたのを制して 「じゃあ」 そう言って1階に降り、玄関で靴を履いていると、おばさんが出てきた。 「高谷君、夜分遅くにありがとう」 「いえ、もともと僕があせって婚約なんかしたのが悪いんですから、純さんが大学に行けるようになるまでは来ますので、お騒がせしますがよろしくお願いします」 「いえいえ、こちらこそ、こんな事本当は頼める事じゃないんだけどありがとう  でも、あの事務所も困ったものね」 「さあ、どうなんでしょう? 純さんが好きになった人が事務所の人、というだけのような気がしますけど?」 「でも最初の話とは違うと思うのよね」 「まあ、そうですね、でも結果がこういう事になったんで、それじゃあ、これで、おやすみなさい」 帰りのバイクは、むなしい気分、信号待ちで止まると、吐きそうになった。 本音?そりゃあ純が好きだ、愛してる、一生一緒にいようと婚約までしたんだ、そんなにすぐに切り替える事なんてできない。 純がもう1度付き合おうって言ってくれた時はうれしかった、でも、それでつきあっているうちに、あいつに本当に寝取られたらもっとひどい仕打ちが待ってるのは見えてる。 そうなったらもう2度と立ち直れないと思うと・・・。 だから今しかないんだ。 くっそーー 家に帰ると、めずらしく母さんが起きて俺を待っていてくれた。 今日、純の家に行く前に母さんに連絡しておいたので、心配してくれたみたい 「克己、大丈夫?」 「・・・・・・うん・・・・・・」 「無理してない?」 「ちょっとね」「そう」 「でも、俺が舞い上がって婚約までしちゃったから、その埋め合わせ、しょうがないよ、 勉強になったよ。 しばらく行かなきゃいけない雰囲気だけどしょうがないよ」 「そう、晩御飯食べた?」 「いや、でも食欲ない」 「お茶漬けでも食べる?」 「いや、いいや、このまま寝るよ、明日もこんな時間になるかもしれないから、待ってなくて良いから」 「本当に大丈夫?」 「まあ、なんとかなるよ」 「そう、じゃあ寝るね」 「うん」 「おやすみ」 「おやすみなさい」 俺は自分の部屋に行き、そのままベッドに横たわる。 なかなか眠れない・・・結局朝方にようやく眠る事ができ、ただぐっすり眠れず早々と起きてしまった、今日の講義は午後からなのでもう1度寝ようと思ったが無理そうだったので、朝シャワーを浴び、朝食を食べて、大学に行く、授業は3限と4限だけど、早く家を出た。早く大学に着いてしまって何もすることがないので そのまま部室に顔をだすと、柴田先輩が本を読んでいた。
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