3人が本棚に入れています
本棚に追加
純のお見舞い -さようなら
授業が終わり、一旦家に帰りバイクに乗って純の家へ、ピンポン
「はい」
「高谷です」
「どうぞ」
いつもは仕事に行っているはずの母親が出てきた。
「高谷君にも色々予定があるんだろうけど、純のために申し訳ないないわね」
「いえ、僕にも責任があるんで」
「どうぞ」玄関で靴を脱ぎ
「じゃあ、純の部屋に行きます」「はい、お願いします」
そう言って純の部屋をノックすると
「かっちゃん?ノックなんかしないで入ってきてよ」
「いや~女性の部屋に入る時は中で何してるかわからないから ノックくらいするよ」
「かっちゃんなら、別に何を見られても構わないから、そんな事気にしなくて良いのに」
「いやいやそうはいかないよ、 あっ、今日は調子よさそうだね」
「うん、かっちゃんが来てくれるから、シャワー浴びて、朝も昼もちゃんとご飯食べて待ってたの」
「そう、落ち着いた?まだ学校には行けないの? 仕事は?」
「・・・・・・うん」
「そっか、まあ少しずつかな」
トントン母親がやって来て
「高谷君、ちょっといい?」
「はい」
「純、ちょっと高谷君借りるね」
「ちょっとだけだよ」
「うん」
そう言って、俺は母親の後ろをついて1階のリビングのソファーに座る
対面で母親が座り
「高谷君、今回の事は本当にごめんなさいね」
「いえ、僕も責任はあると思いますから、本当にすみませんでした」
「そう?恵から全部聞いたわ、とんでもない男にひっかかったものよね、もう自分の娘があんなにポンコツだったなんて恥ずかしいわ」
「いえ、実際に純さんは彼とお付き合いしているわけですから、僕がちゃんと純さんと話し合って別れればよかったのを、相談もせず婚約解消したのが悪いんだと思います。」
「あら、それは違うわよ、あの男が悪いんだわ、それに加えて純のおばかなところが」
「それでも、純さんが他の人を好きになっただけで、そんな事ないと思います。
俺が舞い上がって急いで婚約なんかして、おばさんの言う通りでした。すみません」
「ううん、それは違う、2人の婚約は私達も認めたでしょ。
モデルの仕事をする時も、契約書を見てそのまま放っておいたのも、良くなかったわ」
「はあ」
「今ね、契約問題だから、うちの会社の顧問弁護士と相談して、向こうに事務所と解除の話合いをする事にしてるの」色々話してくるけど、もうそんな事と思って、強引に話を遮り、「あの、そういうことは、村井家とモデル事務所の話で 僕は関係ないかと、それにモデル事務所だから商品には手を出してはいけないんでしょうけど、これから社会に出て会社勤めをすれば純さんの容姿から考えるともっと多くの、そういう話があると思うんです。
だから今回のモデル事務所の件を解決しても、あまり意味は無いように思うんですが・・・・・・」
「あら、ごめんなさい、そうね、社会に出たらこんなもんじゃないかもね、高谷君のいう通りだわ」
「はい、あの~ 純さんの所に行ってもよろしいでしょうか?」
「あら、ごめんなさい 何か飲み物・・・・・・じゃましちゃ悪いかしら」
「大丈夫です。そういう事一切しませんから」
「そう?」
「はい、僕はもうただの知り合いで、純さんにはちゃんと彼氏がいますから、絶対そんな事ないです」
「じゃあ後で、何か持っていくわ」
「ありがとうございます」
そう言って 純の部屋に、
純はベッドに座って、以前のようにその横に座る、ふと初めて純の部屋に来た時の事を思い出し、思わず机を見ると写真立てが、あいつと純が、純が俺の目線を見て写真立てに気づきあわてて 写真立てを取った。
「ごめんなさい、こんなもの」
「ううん、いいんだ、そっかー、彼とどこかに行ったの?
2人とも幸せそうだね」
「・・・・・・違うよ・・・・・・そんなんじゃないよ・・・・・・」
そう言いながらあわてて机の引き出しにしまった。
最初のコメントを投稿しよう!