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――SIDE 純
最近は、のぼるさんがいつも私の面倒を見てくれて、仕事も順調、かっちゃんはゼミがいそがしいからといってなかなか会えないけど、一段落すれば会えるし、お互いに頑張れば良いかな、のぼるさんも、そう言ってくれたし。
最近は授業がないとき、打ち合わせと言われてほとんど事務所で のぼるさんと一緒。
終わってから、色々な相談に乗ってくれるし、彼氏と行ったら?って言って色々なお店に連れて行ってくれたり、ショッピングにつきあってくれる、大人の男性。
色々な事を知ってるし、話題も豊富、そして何より私の事を考えて行動してくれる。
とってもやさしい人、いつも、『彼の誕生日とかクリスマスに行くと彼、きっと喜んでくれるよと』と言って、ステキなレストランで夕食にも連れていてくれ、夜が遅くなると、ちゃんと家まで送ってくれる。
とっても充実した毎日。
のぼるさんに家まで送ってもらい、リビングに行くと恵が座っていた。
「ただいま」
「おかえりなさい、高谷さんは?」
「うん、大学のゼミと研究会が忙しくて会えないって」
「そう、最近見ないね、今日は誰かに送ってもらったの?」
「うん」
「最近いつも送ってくれる人?」
「そう」
「高谷さんとは会ってないの?」
「うん、忙しいって1ヶ月くらいかな」
「そう」「うん」
「あのね、お姉ちゃんが誰を好きになって、誰とつきあおうと自由だけど、高谷さんってどんなに忙しくてもお姉ちゃんが会いたいって言ったらすぐにオートバイで家まで来てなかったっけ?全然会ってないの?そんなに忙しいって?」
「えっ?」
「あのね、高谷さんって気が利くし、いつもお姉ちゃんの事考えているんじゃない?そんな高谷さんが忙しいからって全然会いに来ないっておかしくない?お姉ちゃん他に誰か気になる人いるの?」
「えっ?何言ってるの?」
「その、いつも送ってくれる人って男の人?」
「うん」
「高谷さんもその人知ってるの?」
「うん、知ってるよ」
「ふ~ん、高谷さんはどう思ってるんだろう? あのね、お姉ちゃんがその人の事が気にいってるんだったら、高谷さんはきっと気づいていると思うよ、だからちゃんと高谷さんにはその事言わなといけないと思う」
「どうして? かっちゃんは婚約者だよ?」
「お姉ちゃんは婚約者がいるのに、他の男の人といろんな所に出かけたり、夜遅くまで一緒にいて、家まで車で送ってもらってるんだよ、おかしいと思わない?」
「ねえ、お姉ちゃんは高谷さんと1ヶ月近くも会わないのに平気だよね?今までのお姉ちゃんはかっちゃんかっちゃんってすごかったのに、どうしたの?
いつも送ってくれる人ってどんな人」
「のぼるさんって言って、ただのマネージャーさんよ、いつも仕事の時に一緒にいてくれる人、すっごくやさしくてかっちゃんのことで色々相談に乗ってくれて、カフェや晩御飯をご馳走してくれて、夜遅いと危ないからって家まで送ってくれるの」
「名前で呼んでるの?もうそれって恋人じゃない、高谷さんがいるのに他の男の人とデートしてるんだよ、高谷さんは気づいてるよ。
お姉ちゃんがその人と付き合うなら、ちゃんと高谷さんにちゃんと言った方が良いと思うよ」
「・・・・・・何言ってるの?」
恵にそう言われたので、部屋に戻ってかっちゃんにRINEしてみた。
「まだゼミと研究会の方は忙しいの?」
「うん、ずーっと忙しくてね」
「そう」「うん」
「ねえ、会えない?」
「ごめん、ほんと忙しくて、純はモデルの仕事は順調?」
「うん」
「そう、よかった、仕事がんばってね」
「うん」
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみ」
この前言われた通りの内容だったけど・・・・・・。
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