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「何を今更。俺がいくら頑張って脅かそうと演じても、全く驚かなかったじゃねえか」
三吉は幽作の返答に首を傾げました。
「頑張って脅かすだあ?だからピンと来なかったのか。存在感ある幽霊なんて幽霊じゃねぇからな。そこに何にもいねえって慣れて油断してるとこに、どろどろー-っと実はいましたあって出るからビックリすんだよ」
これには幽作の方が驚かされました。
ずっとお化け界では演技が下手で存在感が無いと馬鹿にされてきたからです。
「じゃあ、俺みたいな気が弱い幽霊にホントに驚いたっていうのかい?」
「ああ、そうだよ。やっぱり幽霊は昔ながらの陰気で無口な、そのまんまが一番怖いよ」
と、三吉。
これを聞いた幽作。
幽霊にとっては最高の褒め言葉だと天にも昇る心地になりまして。
幽霊なだけに、成仏してしまったそうでございます。
おあとが宜しいようで。
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