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王妃
一
翌朝、女のビューマンに促されて身支度をすませると、隣の部屋に案内された。そこには、カイ立っていた。
「ベル様。今日が王妃になれるか否かを決する日でございます」
「なっ、何をするの?」
「王と一日共に過ごすだけにございます。」
「え?」
もっと色々させられると思っていた為、私は拍子抜けした。
「あと少ししたら、王が来ます。それまでお待ちください」
カイは一礼して部屋を出ていった。
部屋を見回すと、近くにソファーがあった為、私はそこに座った。
南側にある窓には、薔薇が数輪、花瓶に生けてあった。薔薇の香りとはこんな匂いなのかと私はしばらくそれを見ていた。
少しして、扉をノックする音がした。
「はい」
「入るぞ」
部屋に入ってきたのは、金髪で背の高いビューマンだった。
「……何だ、子どもか」
男はそれだけ言うとさっさと部屋を出てしまった。
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