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私は怒りながらソファーにどかっと座り、部屋に入ってきたカイにぶつけた。
「ねぇ、何よあれ」
「国王、レオ様にございます」
「へぇ……私帰る」
「は?」
私は立ち上がり、驚くカイを見て言った。
「子どもの私には興味ないでしょうし、私だってあんなの勘弁。妃になれなくても、フレディ国王を見ていた方が何倍もましよ」
「国王が気に入られたかどうかは、三日後に分かる。それまではここにいろ」
「嫌だ。ほら、馬車を出しなさい」
「王妃が決まるまで馬車は出ません。帰りたいのなら歩いてどうぞ……まぁ、半年はかかるでしょうけどね」
「はんっ……わかったわよ」
本当に意地悪なやつと思いながら私はソファーに座った。
暫くして、誰かがここの扉を叩いた。私が返事をすると、扉が開いた。そこに立っていたのは、国王レオだった。
私は慌てて一礼した。するとレオは言った。
「お主を我の王妃とする」
「はっ、はいぃい?」
私が声を上げると、城の鐘が鳴った。
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