盗まれたものは見えない
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「やあ」 軽い挨拶で目の前に現れたのは、見知らぬ若い男。 他に周りに人はいない。 明らかに俺へ向けた声かけである。 人間違いだと思って通り過ぎようとしたが、俺の後ろをつくように歩いてくる。 「なあなあ、無視しないでよ」 「人違いです」 「いいや。人違いじゃないね。君は僕のターゲットだ」 「は?」 振り返ったとき、男はニコニコと笑みを浮かべていた。
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