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「…っち…、クソが…っ!」
誰もいない暗い部屋で、憎しみの感情に支配されないように一人歯を食いしばる。
俺の名前は千景 優(ちかげ ゆう)だが、けどこの名前は大っ嫌いだ。
家にいれば“妾の子”として虐げられ、肉親の父親にさえ居ないように扱われる。
そんな奴と同じ名前であることも嫌だ。
そして、それを嫌と強く抵抗しそれを口にした日には、3日間牢に入れられて一日一食貰えない日もあった。
いつも作るのは俺なのに…
しかも、使用人のようにこき使う割に、まずいだの下手だの、なんだのほざきやがって…
アイツらの性根はクソほど腐っている。
「いつかこの場所を消し去ってやる…皆殺しにしてやる…っ」
…だがそれ以上に、気づいた時には俺の心は荒んでいた。
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