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家族。
家に帰っても俺の居場所はもうない。
あの"人身事故"があったあの日からずっと。
俺の部屋にあったものも、日に日に少しずつ減っていった。
そしていつの間にか勉強机とベッドだけになった。
でもそれは多分、もう、俺のものじゃない。
きっと、弟のものになっている。
二段ベッドも、あの日から弟が気分で上か下かを使い分けたり、机にも弟がずっと座っている。
父さんも母さんも弟も、あの日からずっと僕をシカトする。
名前も呼ばれなくなった。
ご飯も俺の分は用意されない。
お風呂の用意すらも。
あの日から、ずっと。
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あの日から、家族も、学校も、俺のまわり全てが、突然変わった。
まるで、俺が、存在しないかのように―。
俺が、この世から消えたように―。
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