BLUE

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いま住んでる部屋に、ゆっくり歩いて向かう。 決して嫌いな住まいではない。 ただ、住むのが辛いから、引っ越すことを決めた。 7年間、恋人と暮らしたところ。 けれど、彼は出て行った。 〈ごめん、好きな人が出来たから〉 そう云って。 【結婚を前提に僕と付き合ってください】 真夏の陽射しを浴びながら、彼はそう云った。 けれど、現実は全く違ってた。 【別れることも、じゅうぶん有り得る僕と付き合ってください】 だった。 恋人同士とは、常に危うくて、確かに別れと背中合わせだ。 「それなら、結婚とか云うな!バカヤロー!」 大声を出したのは、周りに人が居ないのを確認したからだ。だが……。 ポツン 「あ、降って来た」 そう云って、空を見上げたら、電柱に工事中の男性が居た。 その人は、仕事に集中していた。 死に物狂いで熱中していた。 気まずいですよね……すみません。
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