0人が本棚に入れています
本棚に追加
いま住んでる部屋に、ゆっくり歩いて向かう。
決して嫌いな住まいではない。
ただ、住むのが辛いから、引っ越すことを決めた。
7年間、恋人と暮らしたところ。
けれど、彼は出て行った。
〈ごめん、好きな人が出来たから〉
そう云って。
【結婚を前提に僕と付き合ってください】
真夏の陽射しを浴びながら、彼はそう云った。
けれど、現実は全く違ってた。
【別れることも、じゅうぶん有り得る僕と付き合ってください】
だった。
恋人同士とは、常に危うくて、確かに別れと背中合わせだ。
「それなら、結婚とか云うな!バカヤロー!」
大声を出したのは、周りに人が居ないのを確認したからだ。だが……。
ポツン
「あ、降って来た」
そう云って、空を見上げたら、電柱に工事中の男性が居た。
その人は、仕事に集中していた。
死に物狂いで熱中していた。
気まずいですよね……すみません。
最初のコメントを投稿しよう!