0人が本棚に入れています
本棚に追加
ただ、一つ問題があって。
その会社の還暦寸前のジジイ営業マンが
営業に行かないので、仕事がドンドンと減っていっていた。
社長の昔からの付き合いなどがあり、なんとか仕事を振ってもらっていた。
一時期は、閉業寸前まで追いやられた。
俺は、あの場所が好きだったし、
何より皆と離れたくなかったので、どうにかならないかといつも模索していた。
とある日、クライアントが訪ねてきた。
珍しいなとも思いつつ、よくよく聞いてみると、とある商品の発注先を変えたい。との事だった。
要するに、"仕事が減る"ということだ。
何を思ったのかは知らないが、ジジイ営業マンは「仕方がない」と他人事。
ーーアホか、こいつは。
俺は造船業界に携わって、5年が経過しようとしている。
頭の悪い俺でも、その商品が無くなれば、どれだけ売上低迷するか検討くらいつく。
ーーほとほと、呆れるな。まあ、入社初日の俺の前で、このままでは会社が潰れそう。だと口を滑らせるくらいだからな。
と、笑いさえ込み上げてくる。
最初のコメントを投稿しよう!