最初の出会い

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ただ、一つ問題があって。 その会社の還暦寸前のジジイ営業マンが 営業に行かないので、仕事がドンドンと減っていっていた。 社長の昔からの付き合いなどがあり、なんとか仕事を振ってもらっていた。 一時期は、閉業寸前まで追いやられた。 俺は、あの場所が好きだったし、 何より皆と離れたくなかったので、どうにかならないかといつも模索していた。 とある日、クライアントが訪ねてきた。 珍しいなとも思いつつ、よくよく聞いてみると、とある商品の発注先を変えたい。との事だった。 要するに、"仕事が減る"ということだ。 何を思ったのかは知らないが、ジジイ営業マンは「仕方がない」と他人事。 ーーアホか、こいつは。 俺は造船業界に携わって、5年が経過しようとしている。 頭の悪い俺でも、その商品が無くなれば、どれだけ売上低迷するか検討くらいつく。 ーーほとほと、呆れるな。まあ、入社初日の俺の前で、このままでは会社が潰れそう。だと口を滑らせるくらいだからな。 と、笑いさえ込み上げてくる。
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