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見るたびにそう思う。
僕は僕で早く部屋着になりたい。
洗濯機に入れ忘れて、シワっぽいグレーのTシャツ、ヨレヨレのスエット。
「同じ格好ばかりして。男臭いから早く脱いでちょうだい!」
口癖になってしまった母の言葉。
僕は黙って自分の部屋に入り、今日やった講義の復習を始める。
僕は薬学部に入りたいと思っている。
薬剤師になることが目標だ。
以前に僕は、ある病気になってしまったことがある。
入院まではいかないが、日常生活を送るのが、かなり辛かった。
とにかくダルいのだ。
何もする気力がなくなる。
通院はしていたから薬は飲んでいた。
それも、かなりの量の。
しかし治らない。
別の病院に変えた。
医師が処方してくれる薬も変わる。
けれど結果は同じ。
病院は4回変えた。
そしてその4度目の病院の医師が出してくれた薬がドンピシャだったのだ!
日に日に体は軽くなり、ダルさは消えた。
薬は嫌いだが、このときばかりは、
「すごい!」
そう思った。
本当は医師を目指すところかもしれないが、そこまでの頭脳は僕にはなく、医学部に行く経済的余裕も家にはない。
患者に薬を渡すだけではなく、不安に思っている人にはキチンとした説明をし、少しでも不安を取り除いてあげたい。
それが出来る薬剤師になるのが僕の夢だし希望だ。
以前、この話しを鈴蘭にしたら、急に泣き出したことがあったっけな。
あの涙には、どんな意味があるんだろ うか。
何故か訊けなかった……。
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