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「〜〜〜〜!!」
「ーーーー!!」
なんだろう。
周りが騒がしい。
一体、何があったんだったか………。
(………あ、そうだ)
俺を見る顔ぶれのあまりの顔面偏差値の高さに、俺の心が限界を迎えてふらっとしてしまったんだった。
でも、言い訳をさせてほしい。
あれは普通に仕方がないことだと思うんだ。
自分のグループだけでも超顔の良い人が3人もいて(その中でも特別顔の整ったあの堤下くんの隣を歩いていたんだぞ?)、それだけでも結構気絶しそうなのに、そこにあの天下の風紀委員長と清楚系な女優並みに可愛い副会長と西洋人形みたいな雨色とダンディーな雰囲気の先生が一緒だったんだ。
その顔が一斉に俺を見ていたんだぞ。
無理にも程がある。キラキラで目がやられた。
(それで………)
後ろに倒れそうになったから足を一歩後ろに下げた、というのに、その足が踏みしめるはずの地面がそこにはなかった。
やばいと思った。
冷や汗が背中を伝った。
このままだと落ちてしまうと思い、
何かを掴もうと無意識に手が前に伸びた。
そこには、何もないというのに。
『……………!』
視界には、目を瞠った堤下くんの姿が。
そして、それから1秒も経たないうちに堤下くんはその体を動かして、俺に手を伸ばしてくれて。
間一髪のところで、俺の手に堤下くんの清らかで滑らかな手が触れた。
次の瞬間には、その細身の体のどこにそんな力があるのかと思うほどの強い力で引っ張られて。
俺の巨体は、引っ張り上げられたその勢いのまま堤下くんを地面に押し倒して。
………押し倒して?
「…………ん、」
この、唇に当たるぷるぷるの感触はなんだ……?
そして、今鼓膜を震わせた可愛い声は、
一体誰の………
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