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「やっぱり俺が責任を……!」
「俺がしている」
「…………ッ、え?」
「キス、しかも深いやつ。ああ、事故でも何でもないから安心しろ。ぐ……、………」
風紀委員長のみぞおちに、いい笑顔のままの堤下くんが肘をガツンとめり込ませた。い、痛そう……。
(でもッ、やっぱりッ、ここはッ、していますよねッ!)
しているんじゃないかと期待していましたッ!
ありがとうございますッ!!!
本当にありがとうございますッ!!
しかも深いやつだとッ!?
それはあれですかッ、舌と舌が絡み合うあの大変エッチなキスのことですよねッ!?ハァンッ、最高ッ!
風紀委員長のそのテクニックで堤下くんをドロドロにしちゃったんですよねッ!?!?
アーッ、エッチだッ!!!
「ふ、深いやつ………?」
「って、言った、よね〜?」
「……………ん」
「なんだよお前ら〜!青春してんな〜!?」
何故か気まずそうに顔を伏せる書記。
「あー、あれね」とでも言いたげな顔の池田。
にっこにこの笑顔で微笑み続ける堤下くん。
目をガン開きにして風紀委員長を見るその他の生徒。
そして、ずっと楽しそうにはしゃいでいる先生。
何だこのカオスは。
あ、俺が生み出したんだった。
「風紀委員長が深いやつしたんだから、お前のキスなんかそれに敵うわけねえよ。風紀委員長の勝ちだろ。だから責任なんて取らなくていいって、な?」
「ああ、そうだな。責任なら俺が取るから安心しろ」
「てか、お前がこの人に勝てるとでも思ってんの?なあ、流石にもうそろそろ諦めろよ?」
や、輩に絡まれている気分だッ。
ニーッと怖い笑顔を浮かべて詰めてくる池田と、そこそこ身長のある俺よりもさらに高い身長の風紀委員長に見下ろされて、威圧感からヒッと息を呑む。
この人たち怖いッ。
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